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【ID・トレーサビリティ部会】メンバー企業と近畿大での実証実験
ID・トレーサビリティ部会のメンバー企業と近畿大での実証実験の動画が完成いたしました。
動画:
https://youtu.be/44FzqVKu3WY
主に財物の譲渡に用いるための実務的な手段として、または個別デジタルアセットの資産性に基づき保有者の自己与信を示す手段として、トークン技術の進展とともに普及を遂げてきたWeb3ウォレットですが、近年その利用目的は財物の所有や譲渡といった実務的手段としてだけでなく、ウォレット内に格納されたNFT群を総体として捉えることで、当該ウォレット保有者の人物像について、たとえば当人が大切にしている価値観や当人が守りたいと考えている個体性(アイデンティティ)を他者へ知らしめ、相補的共感をはかる手段としても用いられるようになってきました。
私たちID・トレーサビリティ部会では、暗号資産の資産性(モノ)から作家性(ヒト)へと興味関心の転換が生じはじめている昨今の状況について、かつて美術史において「(作品を)見る」ことから「(作家を)知る」ことへと視座転移が生じたキュビスムの登場とも符号する時代の変化点と捉えています。
自己主権型の情報環境である Web3技術によって、従来の人権概念は今後デジタル空間へと拡張していくことになるでしょう。
自らのアイデンティティ管理を中央集権的な第三者に委ねることなく、自己主権のもとで完結できる環境情報レジームの到来は私たちに何をもたらすことになるのでしょうか。
自己主権のもとでアイデンティティ管理を完結できる環境情報レジームとしてのWeb3の到来により、「見る」から「知る」への視座転移が進行しつつある状況を私たちは「クリプト・キュビスム」と呼び、国内外のアーティストや学識者、技術者らを交えて従来の金銭的・物質的な豊かさを希求する経済枠組みにおいて評価が困難とされた文化・芸術的な取り組みの価値や、環境・人権課題へ取り組むPay forwardの精神について、非地位財として可視化を試みる研究開発に着手しました。
本作は一人ひとりがWeb3ウォレットを持ち、人間に近いアバターUI「パーソナル・エージェント」を通して自身のアイデンティティを管理する未来を展望するビデオグラフィです。
ID・トレーサビリティ部会ではこのような未来のパーソナル・エージェントの実現に向けた活動にご参加いただける仲間を探しています。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
ID・トレーサビリティ部会長・鈴木淳一