プレスリリース
press release
日本円に対して為替が安定した仮想通貨を志向したデジタルトークン「Zen」社会実験、第1フェーズ終了のお知らせ
一般社団法人ブロックチェーン推進協会(代表理事:平野洋一郎、インフォテリア(株) 代表取締役社長、以下 BCCC)は、日本円との為替が安定して運用されることで将来的に実ビジネスでの使用に耐えうる仮想通貨とすることを企図した、ブロックチェーンにより実装されたデジタルトークン「Zen」の社会実験を2017年7月5日から実施してきましたが、本日2017年11月30日をもって第1フェーズを終了することを発表します。
デジタルトークン「Zen」の流通社会実験は、約4ヶ月間実施しBCCCの年会費やブロックチェーン大学校受講料の支払いなどで使用してきました。第1フェーズ期間における「Zen」の発行総額は約8億5千万円相当となりました。実験においては、さまざまな課題の発見があったものの、「Zen」での支払いと仮想通貨交換所における取扱に関して技術的な問題が発生することはありませんでした。また、2017年9月29日には金融庁登録の仮想通貨交換所における取扱仮想通貨として登録されました。そのため、現在流通している「Zen」は回収せず、第2フェーズにむけてそのまま使用する予定です。第2フェーズについては、第1フェーズにおけるフィードバックを踏まえて改善を施すとともに、さらに広い範囲での展開を予定しており、その期間や内容が決定しましたら、改めて発表いたします。
また、第1フェーズでの実験概要については、「Zen」の技術解説、法的整理および実験内容等に関するレポートを2017年12月末までに公開する計画です。
■「Zen」の概要(既公開内容を再掲)
「Yen」の一歩先を行く仮想通貨として名付けられた「Zen」(シンボル:JPYZ)は、従来の仮想通貨のようにインターネット上で取引を行うことができ、かつ、日本円と高い為替連動性を保持するものとして利用することができる仮想通貨となることを企図したデジタルトークンです。第1フェーズにおいて、「Zen」はプライベートブロックチェーン上のトークンとして、本社会実験に参加する特定のBCCC会員企業向けに実装されます。
役割 | 担当 | 摘要 |
Zen発行者 | BCCC事務局 (インフォテリア) |
・ 時価1円に相当する仮想通貨(例:ビットコイン)に対して1 Zenを発行※1 ・仮想通貨を発行時の市場価格にて即座に日本円に交換して銀行口座に保管 ・業務委託先のZen取扱取引所に対して発行時に1Zen=1円買注文を提示※2 |
Zen発行業務の取扱者 Zen交換・取引仲介者 |
テックビューロ | ・Zen発行者から発行業務を受託 ・取引所では、Zenと当該取引所が取扱う法定通貨や他の仮想通貨と取引することが可能 |
Zen発行先 | BCCC会員企業のうち本社会実験への参加を表明したもの(20社) | ・発行を希望する相当額の仮想通貨との交換を持ってZenの発行請求を行う ・提供する製品やサービスにZen建てで価格を付して取引を実施 ・第1フェーズでは、Zenの流通範囲をBCCC会員の提供製品およびサービス内に限定※4 |
※1 Zenの発行は、発行先である参加企業が行う所定の手続きに従った発行請求を経て、仮想通貨(例:ビットコイン)との交換をもって行われます。なお、発行業務の取扱いは、Zen取扱仮想通貨取引所が随時実施します。
※2 仮想通貨取引所におけるZenと他の法定通貨や仮想通貨との為替レートは常に変動しうる要素を持っています。その環境において、BCCCが、Zenの発行手取金(受領仮想通貨を発行時点の市場価格にて円転したもの)を原資として、取扱取引所ごとに発行数と同数のZenを1 Zen=1円で購入する注文を提示することで、実質的にZenの対日本円為替レートを安定化させる仕組みが機能するという仮説を検証する実験を行います。なお、BCCCが再取得したZenは、原則として消却処理されます。
※3 改正資金決済法により、同法の施行の際に現に仮想通貨取引所を運営する者は、同法に基づく仮想通貨交換業者としての登録が必要となります。テックビューロはその認定を受けた仮想通貨取引所です。取扱取引所は、改正資金決済法に基づき、Zenの取扱いに際しアカウント開設者につき、取引時確認や反社チェックを実施する等の対応を行います。
※4 Zenを自社の製品やサービスに用いるBCCC会員企業は、不測の事態により本社会実験を中止するべきであるとBCCCが判断した場合には、その時点で自社の製品やサービスに用いられているZenのすべてを速やかに1Zen=1円で回収することを発行者であるBCCCに対して誓約することとしています。
■「ブロックチェーン推進協会」とは
ブロックチェーン技術はフィンテック(金融 IT 革命)の中核技術として注目を集めるだけでな く、業界を問わず情報システムの進化に大きな貢献をもたらそうとしています。しかしながら、 現在国内のブロックチェーン技術開発と実証実験は世界に対して遅れを取っていないにもかかわ らず、その実績や技術情報が共有されていないため適用領域がほんの一部に留まっています。そ こで、本会は、ブロックチェーン技術の未来を確信する国内有志メンバーが、相互に情報交換、 切磋琢磨しながら、ブロックチェーンの普及啓発を行い、自らブロックチェーンの適用領域を拡 大し、またブロックチェーン技術領域への資金調達支援を行うことによって、わが国産業の国際 競争力増進に貢献するとともに、ブロックチェーン技術の進化にも寄与することを目的としま す。さらに、世界のブロックチェーン団体とも連携しその情報を国内で配信するほか、本会で培 われた技術と経験は、ブロックチェーン先進国として日本から世界へと向けて発信します。
※詳細につきましてはBCCC-Zen第1フェーズ終了をご参照ください。